タマシイのふるさと。
イヤホン買ったのよ。
ちょっと良いヤツ。スゲー良いヤツじゃないのよ。ちょっとだけね。
\7300くらいの。
ホントにちょっとっすねー。
もう少し謙遜とかさ、控え目とかないの？
ホントにちょっとなのねー。
お、これは、あれだ。
あのセリフが言えるぜ！！
言って良いっすか？
「言葉通りの意味だよ！」
あ、別に普通だ。特に溜めて言う程でもないや。
まあ良いや、で、買ったのよ。イヤホン。
そんな音楽好きだったっけ？俺。
良いの良いの。No.Music My Lifeだから。あっても、無くても良いモノ、それは音楽。音楽は何の為に鳴り響きゃ良いの？こんなにも静かな世界では。
良いの良いの。鳴り響きゃ、誰かに届くぜ。くだらなくても、騒音でも、不協和音でも良いの。スゲーよ。音楽。世の中のほとんどの犯罪は良い音楽を聞いてないから起きるんだよ。って言ってたよ。俺が。
阿部薫を部屋でヘッドホンして、ボリューム最大で聴いてりゃ、一瞬で置いてかれるよ。気がつきゃあそこだ。あの彗星だ。
あーあ。そんな事じゃないのよ。
俺、あれなんだよ。
違うよ！あれっつっても、お前が思ってるあれじゃねーよ。やだな〜。恥ずかしいわー。恥ずかしい恥ずかしいって言いながら、死ねば良いのに。
あ、すいません。
違うのよ、俺、ちょっと良いイヤホンでラジオかポッドキャストしか聴いてねえの。
あーあ。何それ。
まあ良いや、本を紹介しますよ。
今日はGuy Bourdin。いやあ、良いっすよ。ラッキーだよ。僕は。
20世紀の最も挑発的なファッション写真を撮った写真家とは、言い得て妙。的を得てます。わーい。的を貰ったよー。
お母さん、お母さん、的を、的を得ました。
あのね、ヤスヒロ、的は得るモノじゃなくって、射るモノなのよ。
だ、誰？誰のお母さん？誰かのお母さん出て来ちゃったよ。しかもヤスヒロって誰？
何なの？
はい。挑発的って話よ。Guy Bourdinの写真が。この人は、生前、一切の個展や美術館での展示、さらには写真集の出版すら断っていたそうです。作品は全て、発表したメディアに属するって事らしい。その刹那的なスタンスがあの挑発的で、ファッショナブルで、美しく、豊かな表現を生み出したのだろう。リアルタイムにゃ間に合わなかったが、編まれた写真の数々を目にする事が出来るのはラッキー以外の何でもない。世の中はラッキーに溢れている。今、生きてる事が何よりラッキーだとわかっただけでも、今日もあれだ。
恥ずかしくなるなら語らなきゃ良いのに。
